そういえばあった!
弟と、近所のお祭り行った帰りです。
家の近所で、ふらふら揺れるように歩く人影を発見。
よくよく見てみると。
弟も同じように見えたんでしょう。つないだ手を思い切り握ってきました。
街頭に照らされたその「ヒト」には。
…上半身が、なかったのです。
下半身だけがふらふらと、千鳥足で歩いてゆくのです。
そうと気づいた瞬間、ぞわっと背筋を悪寒が駆け上がりました。
家に帰るには、今その「ヒト」が歩いていった後を…さらに追い越して行かねば、帰れません。
まずい、今弟がいるのに。弟を守ってやれるのは私しかいない、などとえらそうに考えた挙句、しばらく立ち止まり、曲がり角をその「ヒト」が通り過ぎた瞬間、弟を背負って走りました。「ヒト」が振り向く前に、気づく前に。
何故そう思ったのか判りませんが、とにかく走りました。必死になって玄関の鍵を開けて、家に入り、また鍵を閉めて、家中の電気をつけて両親の帰りを待ったものです。
とにかく怖かった。アレは一体なんだったのでしょう。
…さて、ちょっと「お前勘違い?」と思われても仕方のない話をするならば、私は「視る」ヒトで、弟は「聴く」ヒトでした。
「視る」私がいろいろ言った所為で弟は怖がりに成長。今ではもう何も「聴く」こともなく、成長してます。
残暑を吹き飛ばして下さいね。